適応障害(適応反応症)と診断され休職 医療リワークを利用して復職へ

復職支援のための医療リワークとは?

【 1 】うつで休職している会社員向けに、復職を支援するプログラム

 「眠れない」「食欲が無い」「気力が無い」「憂鬱な気分が続く」といった症状が複数あり、数日間以上、これらが続く場合に「うつ」が疑われます。病院の精神科外来や精神科クリニックを受診して「うつ病」と診断され、業務を続けられない病状であると判断された場合、一定期間、会社を休職して服薬と自宅休養によって体調を回復させる必要があります。

 このような「うつ状態」などで休職した社員に、スムーズな復職と再休職予防を目的に実施されるリハビリテーションを「リワークプログラム」といいます。今ではかなり一般の皆さんにも知られるようになりました。

 休職して職場を離れ、服薬と一定の期間の自宅休養によって、体調が回復したからといって、すぐに職場に復帰すると「うつ」が再燃して再休職する人たちが多いのも「うつ病」の特徴です。「うつ」は慢性化しやすく、再発しやすいためです。

 そこで、当クリニックなど医療機関が行う医療リワークでは、「自分は、どうして『うつ』になり休職したのか」、その原因や課題を明らかにして、再休職を防ぐための対策や準備を促します。原因もわからず、対策が不十分なまま復職すれば、同じ原因に遭遇した場合に、再び「うつ」を発症する可能性が高いからです。

 では、具体的には、どうすればよいでしょう?

  • 自分はなぜ、休職することになったのか、うつ発症時を振り返り、何が原因であったかを探って対策を考える
  • 日頃から、自分自身の健康を守る「セルフケア」の方法を学び、実践する

といった準備が必要です。
 

【 2 】仕事に戻るということは、社会に戻るということ

 当然のことですが「仕事に戻る(復職する)」ことは、業務に戻るというだけではなく、同僚や上司、得意先などとの人間関係の中に戻ることです。仕事での人間関係は個人同士の関係が複雑に絡み合う「社会」に戻って、環境に適応し続けることを意味します。

 つまり、うつの休職からの復職には「再休職の予防策」が必要です。
 

【 3 】「復職可」とする判断は、実はとても難しい

 診察室での短い時間内で患者さんの様子を診ているだけでは「この患者さんを復職させて本当に大丈夫なのか、再休職せずに働き続けられるのか」という点についての判断はできません。

 そこで、通勤訓練も含めて、会社に通うようにクリニックに通い、クリニック内で活動をして「再休職しないための、さまざまなスキルを身につけてもらえばいいのではないか」。そう考えて2003年に虎ノ門で医療リワークを始めました。

 医師、看護師、保健師、臨床心理士などによる「セルフケア=自分で自分のケアを行う方法」の講義を提供するほか「生活管理術」や「ストレス対策」、「コミュニケーションスキル」などを学べる体制を整えたのが、当クリニックの医療リワークです。そうした仕組みを作ることで、自分を「うつ」から守るスキルを身につけ、より安全に職場に戻ってもらい、再休職を予防することが目的です。
 

再休職しないスキルを身につけて復職
医療リワークでは、復職後に再休職しないように看護師や保健師、臨床心理士などによる「生活管理術」や「ストレス対策」、「コミュニケーションスキル」などの指導を行い、参加する休職者に自分の身を守るスキルを身につけてもらうという。

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