曲げられても、元に戻るバネのようにレジリエンス(回復力)を身につけよう

楽観力、冷静に物事をとらえる力、忍耐力など

渡邊 はい。それらの質問にお答えする「レジリエンス・スケール(回復力を測る尺度)」というツールがあります。研究者が作成したものをネット上で検索できると思いますが、残念ながら著作権上の問題から、その具体的な文面をここに掲載することはできません。

 そこで、ここでは「おおよそ、こういうものだ」という例をお伝えします。

 自分に、レジリエンス(回復力)が備わっているかどうかは、自分がストレスやトラブルに遭遇した時に、それを跳ね返す力があるかということになります。

 では、ストレスを受けた場合、そこから回復するためにはどういう要素が必要になるでしょう。

 大きく分けて、単語で表現すると「楽観力」「冷静に物事をとらえる力」「決断力」「ユーモア」「忍耐力」「思い切りの良さ」「達観力」「粘り強さ」「他人を思いやる力」「好奇心」「新しいことに挑戦する力」といったものが挙げられます。

 具体的に「レジリエンス力」を測る物差し=レジリエンス・スケールによく用いられている内容の例を挙げてみましょう。

 次の複数の項目について、自分が「あてはまる=そうである、そう思う」か「あてはまらない=そうではない、そうは思わない」と、0点から4点までの5段階で判断していくという方法です。

 5段階とは以下の通りです。

「いつも、そうである/いつも、そう思う」(4点)

「やや、そうである/やや、そう思う」(3点)

「そうであるか、そうではないか。どちらでもない」(2点)

「あまり、そうではない/あまり、そうは思わない」(1点)

「まったく、そうではない/まったく、そうは思わない」(0点)

 以下のような一文ずつに、上記の5段階の評価点数を付けるという方法で「レジリエンス力」を測るのがレジリエンス・スケール(回復力を測る尺度)です。

 次の各文の冒頭に「私は」という言葉を付けて考えると答えやすいと思います。

私は

・たいていの場合、何とかしてやっていける

・たいていの場合、物事に冷静に対処できる

・決断力がある

・たいていの場合、何か笑えることを見つけることができる

・苦労をしても、我慢できる

・どうにもできないことを、くよくよ考えない

・私のことを好きではない人がいても構わない

・希望が無くても、あきらめない

・人には思いやりをもって接するほうだ

・チャレンジが好きである

 

渡邊 上記の項目は「自分のレジリエンス(回復力)を測るための複数の項目による物差し=レジリエンス・スケール」において、広く用いられているコナー&デビットソンという2人の研究者が作ったものを参考に、似た例文を作ってみたものです。

 実際の「コナー&デビットソン レジリエンス・スケール」には、こうした項目が10個以上あり、個々の内容に自分があてはまるかどうかを確認していくことで、自分にどのくらいのレジリエンス力があるかを知ることができるようになっています。

 それぞれ、「まったくそうではない・まったく、そうは思わない」の0点から「いつもそうである・いつもそう思う」の4点までの5段階の評価を付け、得点を加算した総合点数が高いほど「レジリエンス力が高い」とされ、「自分のレジリエンス力」の程度を知ることができます。

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