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良し悪しの評価をせず、受け止めて手放すマインドフルネス

伊藤CPP さて、次は「マインドフルネス」についてお伝えしましょう。

 「マインドフルネス」と言うと、瞑想を思い浮かべる方も多いと思いますが、今回、ご紹介するものは瞑想ではなく、認知行動療法の手法の一つで、効果が大きいと私自身が実感しているものです。

 認知行動療法における「マインドフルネス」は、何かに出合って、自分に現れた様々な反応(考えや気持ち、感情)に気づいたら、それをどこかに追いやるのでも、それに巻き込まれるのでもなく、「良い・悪い」といった評価も行わず、ただ距離をおいて「ふーん、そうなんだ」と眺めて手放す、という技術のことを言います。

 

マインドフルネスって何?


自分のすべての体験に対してリアルタイムで興味・関心を持って「ふーん、そうなんだ」と受け止め、味わう。そして、それらが消えていくのにまかせて、さよならするのがマインドフルネス。こだわらず、引きずらず、手放すイメージ(伊藤さんの著書『ケアする人も楽になる マインドフルネス&スキーマ療法BOOK1』(医学書院)の図を基に編集部で作図)

自分の中に生まれた、イヤな気持ちを手放すイメージ

伊藤CPP マインドフルネスには「葉っぱのエクササイズ」というものがあります。目の前にゆったりと流れる小川があり、そこに上流から葉っぱが1枚、また1枚と次々に流れてきて、目の前を通り過ぎていくイメージを頭の中で作ります。

 そして、何かの考え(=自動思考:自然と思い浮かんだ考え)が思い浮かんだら、それを目の前の葉っぱに載せて川に流す様子をイメージします。

 そしてまた、別の新たな自動思考に気づいたら、それも、次に流れてきた葉っぱに載せて川に流す。そうやって、頭の中に現れた考えを「良い」とか「悪い」といった評価をすることなく、葉っぱに載せて川に流す。すると、それらは水の流れに乗って、やがて目の前から消えてしまう。消えてしまったら、もう、自分はその自動思考にとらわれなくなる、というものです。

 イヤな気持ち抱いても、それを葉っぱに載せて流してしまえば、それでもう気持ちがラクになって終わりにできます。実は、この方法だけで、実際のイヤな出来事から気分が回復してしまう人は少なくありません。

 そして、実はもう一つ、大きな効果があるとわかって注目しているのが「スキーマ療法」です。これは、認知再構成法やマインドフルネスといったアプローチでは解決できない、自動思考のさらに奥、心の深いレベルに「その人の深い思いや、傷のようなもの」がある場合に用いる療法です。

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