復職しても、すぐに再休職してしまう場合

診察室での短い時間では診断できない疾患が原因のことも

 うつの症状があって会社を休職した社員が、服薬と休養によって体調が回復して復職しても、しばらくすると再び休職してしまう。しかも、それを繰り返す。そうした例が近年、急増しています。

 なぜ、そうなってしまうのか。

 実は、「眠れない」「気分が憂うつ」「食欲がない」といった、うつの症状が表れる原因は「うつ病」だけに限りません。例えば、消化器疾患、腎疾患、心疾患、糖尿病のほか、ホルモンが関係する更年期障害など、うつの症状を呈する原因はたくさんあります。

正しく診断できていなければ「うつ」を繰り返す

 そして、うつの症状によって休職を繰り返している場合に、近年、増えているのが、その原因が「大人の発達障害」や「双極Ⅱ型障害」にあるケースです。しかも、実はこの2つは、簡単には診断できません。そのため、診察室の短い時間では正しい診断に至らないまま、「うつ状態」を繰り返すことになるのです。

<この記事に掲載されている主な内容>
・診察室での短い時間では診断できない
・リワークプログラム参加中の様子から“違い”に気づく
・逆効果の薬が処方されている可能性も
・再休職を繰り返す場合、別の原因がある可能性を知っておいてほしい

 ここでは当クリニックの五十嵐良雄医師が、日経BPのWebサイト「日経グッデイ」で連載していた記事を日経BPの許可を得て掲載しています。

うつ休職を繰り返している場合、別の原因が隠れているかも

第3回 医者も診断が難しい、うつ症状の背景疾患
2021/2/8 五十嵐良雄=精神科医・東京リワーク研究所所長

 うつ病などの気分障害の患者数は全国で100万人を超えており、ビジネスパーソンにとって大きな健康問題です。

 この連載では、東京のビジネス街で精神科クリニックを開業する五十嵐良雄医師が、多くの患者さんを診た経験から、ビジネスパーソンが陥りがちなメンタルの罠(わな)についてアドバイスをします。


復職しても、うつの症状が表れて再休職してしまう人もいる。

 気分が落ち込む、食欲がない、眠れない、身体がだるい、ヤル気がまったくおきない…。これらは、いわゆる「うつの症状」の一部です。こうした症状が表れて「うつ」と診断された会社員は、会社を休職して休養し、服薬治療によって体調が回復するのを待って復職するのが一般的です。

 ところが、復職後に再び、うつの症状が表れて再休職してしまう会社員も少なくありません。「やっと復職したのに、なぜまた?」。その原因や理由がわからぬまま、何度も復職と再休職を繰り返す場合も多く、本人も会社も、家族も医者も、とても困っています。

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