「コロナがもたらしたストレス」への対策とは

精神科医が明かす在宅勤務が向いている人、向いていない人の違い

 わたしは東京・大手町のビジネス街の真ん中で精神科・メンタルヘルスのクリニックを開いていますが、2020年に始まったコロナウイルスによる感染拡大の影響によって、その当時、大手町から、大勢のサラリーマンの姿が消えました。多くの会社がコロナ禍の拡大に伴い、出社率を20~50%としたため、多くの社員が在宅勤務となり、オフィス街から人が激減したのです。

 当時、クリニックに初診で来る患者さんたちは、多かれ少なかれ、どの患者さんにもコロナの影響が多少なりとも出ていました。それは、「コロナにかかるかもしれない」という恐怖によるものだけでなく、緊急事態宣言による自宅待機、在宅勤務、外出規制といった間接的な影響も含まれます。…ということは、私たちを含めて、あらゆる人が影響を受けていたということでもあります。

こころの病気は「本人と周りの環境との相互作用」に起因

 こころの病気は「本人と周りの環境との相互作用」で起きてくることが多く、100%環境が原因ということは非常に少ないものです。そして、さまざまな制限があっても、そのストレスの受け取り方や、影響される度合いというのは人によって違います。

 なぜ、人によって影響を受ける度合いは違うのでしょう? いろいろな制限がある中でも、うまく対応して、健康を維持している人たちをみていると、いくつかのパターンがあります。

 コロナ感染者の増加が落ち着いてきた今だからこそ、改めて考えてみましょう。不安な状況下で、さまざまな制限がある中であっても、身体と心の両方の健康を維持できる人というのは、どういう特徴を有しているのでしょう。

コロナ禍でも、身体も心も健康を維持できた人の特徴とは?

【1】 在宅勤務が向いている人=規則正しい生活を送れる人

 私が診ている患者さんたちの中には、在宅勤務になってハッピーになった人がいます。実はそういった人は結構、多くいました。

 そのように在宅勤務が向いている人にはいくつかの特徴があります。

 まず、彼らは「自分で自分の生活をコントロールできる」人たちです。もう少し詳しく言うと、朝は決まった時間に起き、いつも決まった時刻に食事を取り、昼間は仕事をする、というように、「毎日同じリズムでそれを守り、規則正しい生活を週5日間できる人たち」です。

 さらに土日の2日間は自分の時間として充実した時間を過ごし、そうした生活を1週間、2週間、3週間…半年…ずっとできる人は、在宅勤務に向いています。

 では、どうしたら、毎日の生活リズムを守ることができるのでしょう。


朝目覚めたら、しっかり朝日を浴びて「毎日のリズム」を作ることが大事

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