ストレスから自分を守るためにはまず「敵」を知ること

まずは敵を知る。皆が同じことにストレスを感じるわけではない

 ストレスをまったく感じない人は、おそらくいないでしょう。では、私たちはストレスをどう知り、体感するでしょうか。

 何かに接して「イヤだ」「苦手だ」「困った」「うまくできない」などと感じ、気分が重くなる、緊張する、不安になるといった心理的な変化をまず覚えます。そして、その状態が進むと「胃が痛くなる」「食欲がなくなる」「眠れなくなる」といった身体的な変化が現れます。

 こうした反応を、ストレスが引き起こす反応=「ストレス反応」といいます。そして、これらのストレス反応の原因としては、誰かの言動や、何かしらの刺激や出来事、衝撃的なニュース、天候・気温の変化など、多種多様な自分を取り巻く環境からの影響があります。

 こうしたストレス反応の原因となるものを「ストレッサー」といいます。

ストレスが引き起こす反応:ストレス反応
ストレス反応の原因:ストレッサー

 日々の生活にはストレス反応の原因となる、さまざまな出来事や刺激(=ストレッサー)があります。でも、その一つひとつが、誰にでも同じストレス反応を起こさせるわけではありません。ある人にとってはストレスに感じることでも、別の誰かにとってはそうではないのです。

 例えば、Aさんは細かい作業にストレスを感じるけれど、Bさんは感じない。BさんはCさんの言動にストレスを感じるけれど、Aさんは感じないというように、同じ出来事でも、その受け止め方には個人差があります。

 これは見落としがちな点です。同じ環境にいても、ストレスに感じることは人によって違うのです。あなたの敵は、ほかの誰かにとっては敵ではないかもしれません。あなたはご自分の敵=ストレッサーを正しく理解していますか?

 また、ストレス反応の原因となる出来事(=ストレッサー)に直面した時に、どう対処するかによって、自分に現れるストレス反応は変わってきます。また、「相談できる友人や家族など、サポートしてくれる存在があるかないか」「効果的なストレス解消法を持っているかどうか」によっても、その後の状況は変わってきます。

 では、さっそく具体的な仕事の場面でのストレスについて考えていきましょう。

 リワークプログラムでは、まず仕事の場面で自分はどんなことにストレスを感じるのか、自分の「ストレスの原因(ストレッサー)」を確認し、次に自分でできる「ストレス対処法(ストレスコーピング)」について考えます。

 つまり、自分の課題や弱点を知り、対処法を考える。

 これがストレスから自分を守ることにつながるというわけです。

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