仕事や職場に関連した心の病気(うつ病)、パニック障害や神経症に属する病気だけでなく、痴呆、てんかんに関する相談や治療を行っています。

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おもな病気と症状

おもな心の病気と症状

近年、働く方を取り巻く環境は急激に変化しています。成果主義の導入、年功序列や終身雇用の崩壊、裁量労働制の導入、派遣や契約社員といった雇用形態の変化など、働く方の労働環境はますます厳しくなっているのが現状です。
それに加えて、職場における人間関係の希薄化、コンピュータ化によるコミュニケーション不足も顕著になっており、心身に不調をきたす方が増加しています。ここでは働く方に多くみられる心の病気をご紹介します。

当院では、働く方おひとりおひとりのこころの健康のために、専門外来やカウンセリング、その他の様々なプログラムをご用意し、メンタルヘスルの保持・増進のためのサポートを実施しています。どんな些細なことでもお気軽にご相談下さい。

働く方に多くみられる病気

気分障害

うつ病
眠れない、食欲がない、一日中気分が落ち込んでいる、何をしても楽しめないといったことが続いている場合、うつ病の可能性があります。うつ病は、精神的ストレスや身体的ストレスが重なることなど、様々な理由から脳の機能障害が起きている状態です。脳がうまく働いてくれないので、ものの見方が否定的になり、自分がダメな人間だと感じてしまいます。そのため普段なら乗り越えられるストレスも、よりつらく感じられるという、悪循環が起きてきます。
薬による治療とあわせて、認知行動療法をはじめとする心理療法も、うつ病に効果が高いことがわかってきています。早めに治療を始めるほど、回復も早いといわれていますので、無理せず早めに専門機関に相談すること、そして必要な場合にはゆっくり休養をとることも大切です。
双極性障害
双極性障害は、気分障害に分類されている疾患のひとつです。憂うつな気分になるうつ状態だけがみられる病気を「うつ病」といいますが、このうつ状態に加え、気分が高揚し愉快爽快な気分で意欲の亢進する躁状態も現れ、これらをくりかえす、慢性の病気です。
双極性障害は、躁状態の程度によって二つに分類されます。入院が必要になるほどの激しい状態を「躁状態」といいます。一方、明らかに気分が高揚していて普段より調子がよく、仕事もはかどるけれど、本人も周囲の人もそれほどは困らない程度の軽い躁状態を「軽躁状態」といいます。
うつ状態に加え、激しい躁状態が起こる双極性障害を「双極I型障害」と呼び、軽躁状態が起こる双極性障害を「双極II型障害」と呼びます。 双極性障害は気分安定薬による薬物治療により、それまでと変わらない生活をおくることが十分に可能です。しかし放置していると、再発し、それにより人間関係、社会的信用、仕事や家庭といった人生の基盤が大きく損なわれてしまう恐れがあります。
気分変調障害
ほぼ1日中持続する抑うつ気分が長期間続く慢性疾患です。この病気の特徴は、社会や家庭への不適応感や罪責感、さまざまな刺激への過敏性、人や社会への怒り、社会からのひきこもり、興味の喪失、疲れやすさや活力の減退、生産性の欠如です。以前から、日本では抑うつ神経症といわれていた病気で、神経症性うつ病とも言われていました。
うつ病とは極めてよく似た病気ですが、抑うつ気分が軽いものの長い経過をたどるという点で、うつ病と区別することができます。また、最初はうつ病と診断されている場合も意外に多いのですが、その経過が長く軽症であることから、通院中に診断名が、うつ病から気分変調性障害に変更されることもあります。

不安障害

適応障害
適応障害は、ある特定の状況や出来事が、その人にとってつらく耐えがたく感じられ、そのために精神症状、身体症状、また行動面に症状が現れる心の病気です。症状として、憂うつな気分、不安感、意欲や集中力の低下、イライラ感等、身体症状として頭痛、めまい、動悸、倦怠感等が認められます。また、無断欠席や無謀な運転、喧嘩、物を壊すなどの行動面の症状もみられることがあります。
うつ病と似た症状も見られますが、ストレスとなる状況や出来事がはっきりしているので、その原因から離れると、症状は次第に改善する点が異なります。また、ストレス因から離れられない、あるいは取り除けない状況では、症状が慢性化することもあります。一方で、その人の環境への適応力も関係していることも多く、薬物療法だけではうまくいかない場合には、ご本人の適応力を高める目的で認知行動療法等の精神療法や環境調整等が必要になります。
社会不安障害
結婚式でスピーチを頼まれた場合、誰でも恥ずかしいと思うことはあるかもしれません。しかし、この病気の場合、スピーチを頼まれた時から失敗して他人から馬鹿にされるのではないかと、プレッシャーや不安を感じてしまいます。このように、他人から評価を受けることや、人目を浴びる行動に対する不安のため、その状況に対し強い苦痛を感じて動悸や息苦しさ等の身体症状が現れ、次第にそうした場面を避けるようになり、日常生活に支障をきたす病気をいいます。
思春期前から成人早期にかけて発症することが多いこの病気は、慢性的になり、人前に出ることを恐れるようになると、「うつ病」等のさらなる精神疾患の引き金となることもあります。単なる性格の問題ではなく、精神療法や薬物療法によって症状が改善することがある心の病です。
パニック障害
突然理由もなく、動悸やめまい、発汗、息苦しさ、吐き気、手足の震えといった発作を起こし、そのために生活に支障が出ている状態をパニック障害といいます。このパニック発作は、死んでしまうのではないかと思うほど強く、自分ではコントロールできないと感じます。そのため、また発作が起きたらどうしようかと不安になり、発作が起きやすい場所や状況を避けるようになります。その人なりに危ない場面があり、例えば電車やエレベーターの中など閉じられた空間では「逃げられない」と感じて、外出ができなくなってしまうことがあります。
パニック障害では薬による治療とあわせて、苦手なことに少しずつ慣れていく心理療法が行われます。無理をせず、自分のペースで取り組むことが大切です。周囲もゆっくりと見守りましょう。
強迫性障害
強迫性障害は不安障害の一型で、その病態は、強迫観念と強迫行為に特徴づけられます。強迫観念は無意味ないし不適切、侵入的と判断し無視や抑制しようとしてもこころから離れない思考やイメージなどで、強迫行為はおもに強迫観念に伴って高まる不安を緩和および打ち消すための行為です。そのばかばかしさや、過剰であることを自ら認識してやめたいと思いつつも、行ってしまう傾向があります。
具体的には、トイレのたびに「手の汚れ」を強く感じ、その不安から執拗に手洗いを続けたり、泥棒や火事の心配から、外出前に施錠やガス栓の確認をきりなく繰り返したりします。強迫性障害の主要な治療は、SSRIを主とした薬物、および認知行動療法です。さらに病気自体や治療および対処などについて、患者さんや家族などに充分な理解をうながす心理教育は、治療的動機づけを高めかつ周囲からの一貫した支持を得て安定的治療環境を構築するうえで重要です。

発達障害

自閉症スペクトラム障害
新たなアメリカ精神医学会の分類であるDSM-5で取り上げられた病名です。従来の診断基準(DSM-4TR)のカテゴリーである広汎性発達障害(PDD)とほぼ同じ群を指しており、自閉症、アスペルガー症候群、そのほかの広汎性発達障害が含まれます。症状の強さに従って、いくつかの診断名に分類されますが、本質的には同じ1つの障害単位だと考えられています(スペクトラムとは「連続体」の意味です)。典型的には、相互的な対人関係の障害、コミュニケーションの障害、興味や行動の偏り(こだわり)の3つの特徴が現れます。
自閉症スペクトラム障害の人は、最近では約100人に1〜2人存在すると報告されています。男性は女性より数倍多く、一家族に何人か存在することもあります。
ADHD(注意欠如・多動性障害)
発達年齢に見合わない多動‐衝動性、あるいは不注意、またはその両方の症状が、7歳までに現れます。学童期の子どもには3〜7%存在し、男性は女性より数倍多いと報告されています。男性の有病率は青年期には低くなりますが、女性の有病率は年齢を重ねても変化しないと報告されています。

睡眠障害

睡眠障害とは、睡眠に何らかの問題がある状態をいいます。眠れなくなることはよくみられますが、眠れないことイコール不眠症ではありません。不眠の原因には、環境や生活習慣によるもの、精神的・身体的な病気から来るもの、薬によって引き起こされるものなど、様々です。さらに、睡眠障害には不眠だけでなく、昼間眠くてしかたないという状態や、睡眠中に起きてくる病的な運動や行動、睡眠のリズムが乱れて戻せない状態など、多くの病気が含まれます。また、睡眠の問題は1つの原因や病気だけでなく、いくつかの要因が重なって起こってくることも多くみられます。